–時代に適うお寺を目指して–
昔は死者を弔う以外にも、学問をする場として、子供の遊び場として、困りごとの相談所として、寺院は”生”の活動の中心でもありました。
しかしながら、今日ではお寺と皆様の間には高い敷居が設けらているかのようです。当山では、いつでも皆様に寄り添い、また、皆様に支えられながらこれまでの歴史を紡いでまいりました。これからも皆様に必要とされるお寺を目指し、時代に即したお寺の在り方を模索していきたいと存じます。
様々な苦難のある時代です。少しでも皆様のお役に立てることを切に願っております。
合掌
住職 鈴⽊弘信
当方はもと真言修験の高僧・悟明法印の庵室でした。
建長五年(1253年)の夏、日蓮聖人は法華経の教えを広める為に、下総の豪族・富木常忍の船で常忍に法話をしながら鎌倉に向かっており、野島浦に着岸した際に悟明と出会い、妙法の教えを説きました。この教えに悟明が深く帰依したのが当山の始まりであるとされ、当山は「船中問答御着岸の霊場」となっております。
悟明は日蓮聖人の弟子となり、安立院日悟と改め、当山の開基となりました。
しかし、改宗には檀徒の理解がなかなか得られませんでした。そんな中、文応元年、常忍が彫った日蓮聖人の像が悟明に授与されました。この像を日蓮聖人自ら開眼し、「必ず感応あるべし」と語りました。この像に拝むと、改修の願いが見事叶ったと言います。この像は「感応の祖師」と呼ばれ、現在でも信仰の対象になっています。
–本堂–
現在の本堂は日蓮聖人ご入滅700年の記念事業として、昭和56年(1981年)に建立されました。ご本尊に大曼荼羅をおまつりし、その御前に「感応の祖師(日蓮聖人像)」を安置しております。
–客殿–
法事などの控え室やお斎(会食)の席としてご利用頂いております。お通夜、葬儀(家族葬)の式場としても利用できます。
–⼤松–
樹齢数百年とも言われるクロマツです。
長きにわたりこの場所で、私たちの生活を見守ってくれています。
–浄⾏菩薩(左)/⽔⼦観⾳(右)–
法華経に登場し、末法に法華経を弘める役目を託された菩薩様のお一人です。水の徳を顕す菩薩といわれ、特に一切の穢れを清めることを行としております。私たちは、お題目を唱えながら菩薩様を洗い浄めることによって、この菩薩の行をお助けすることになり、その功徳によって私たちの穢れを除くことが出来るようになるのです。
観音様は多くの人々から親しまれる慈悲深い菩薩様です。当山では特に水子さんをお救いする水子観音としておまつりし、毎月24日に供養会(くようえ)を営んでおります。
–⼭⾨–
山号「福船山」を掲げた山門が、皆様をお出迎えいたします。
当山第40世三寶院日顕(さんぼういんにちけん)上人の筆によるものです。